かながわ・キャンパる 合宿でのベストエピソード

 春休みに、神奈川大学みなとみらいマスコミ研究会(かながわ・キャンパる)で1泊2日の熱海合宿へ行ってきました。観光地を訪れたり、おしゃべりを楽しんだりして、とても充実した2日間になったと思います。今回は、メンバーに合宿中のベストエピソードを聞きました。(名前はペンネーム)

【まとめ:神奈川大学外国語学部3年・木下翔太】

レトロな熱海を訪ねて(ブルーシャトー)

 人生で初めて訪れた熱海は、レトロ好きな私にとって大変魅力的な場所でした。

 明治時代の大衆小説である尾崎紅葉の「金色夜叉」。この作品の象徴的な舞台となった熱海の海岸では、令和になった現在も「お宮の松」と「貫一お宮の像」が観光スポットであることを知りました。

左:お宮の松 右:貫一お宮の像

 次は文豪を求めて起雲閣(きうんかく)へ行きました。大正時代に別荘として築かれたのち、昭和の戦後に旅館へと生まれ変わった起雲閣は数多くの文豪に愛されました。かつて山本有三、志賀直哉、谷崎潤一郎が文学対談を行い、太宰治が「人間失格」を執筆したのも起雲閣だったそうです。

起雲閣内部の庭園 窓ガラスにはレトロを感じる大正ガラスが使用されている
ローマ風浴室:1929年に建てられた浴室であり、現在も当時の雰囲気を残している

 かつては首都圏の近郊に位置する温泉街として栄えた熱海。バブル時代は社員旅行などの団体客により、熱海は大いに盛り上がったそうです。時代が移り行く中、私が泊まったホテルにはカラオケや卓球コーナー、ダンスホールに麻雀ルームなどがあり、かつての団体旅行の面影を感じることができました。

 最後に訪れたのは日本美術を多く所有するMOA美術館。

MOA美術館の外観

 江戸時代の絵画や奈良時代の仏教美術、平安時代の書跡に中国の陶磁器といったさまざまな美術が展示されているなか、もっとも私の印象に残ったのは16世紀に描かれた「洋人奏楽図屏風(ようじんそうがくずびょうぶ)」でした。キリスト教の宣教師が伝えた西洋画法を、日本人が日本の顔料を使用して屏風に描いた本作は一見すると、本物の西洋画のようです。しかしよく見てみると、やけに小さい羊や、水墨画のような滝、風景に紛れ込んだツバキなど、いくつかの違和感に気づきます。まさに当時の和洋折衷であり、その後も日本美術は西洋画とは異なる道を歩んだことからも、この図屛風は日本美術において独特なものだと感じ、とても面白い気持ちになりました。

 合宿を通して熱海には奈良・平安から明治・大正・昭和にいたるまでのレトロがそろっていることがわかりました。初めての熱海訪問でしたが、学ぶことがたくさんありました。ぜひ熱海でレトロを体験してみてはいかがでしょうか。

おいしいサーモンと後悔(偏食家A)

 今回の合宿でもっとも印象に残っているのは、初日の昼に食べたサーモン丼です。少食ゆえに食べきることができるか不安でしたが、とてもおいしかったためか無事に食べきることができました。ただ、実は少しだけ後悔しています。

 なぜならば、宿泊先のバイキングでサーモンの握り寿司が用意されていたからです。夜ご飯でサーモンが食べられるのならば、「生しらす丼」など珍しいものを選んだ方が良かったかもしれません。

みんなで食べた海鮮丼

 嫌いな食べ物が多いため普段食べないものに挑戦する勇気がなかなか出ないのですが、今度熱海を訪れた時はサーモン以外を食べてみます。熱海駅付近だけでもおいしそうな海鮮丼のお店がたくさんあったので、食べ比べてみるのも良いのではないでしょうか。

皆がカメラマン 常に誰かの目がある合宿(フォースK)

 私の合宿の思い出は、随時行われていた写真撮影です。

 1泊2日の熱海合宿の途中、全員で集まって写真を撮ったり、少人数のグループで写真を撮ったり、ほとんどのメンバーが行っていました。一方で、知らないうちに撮られているものも多くあり、それに気付いた時にはびっくりしました。

 私が電車に乗っていた時や一人で砂浜まで向かっている途中の歩いている姿、起雲閣の椅子に座っているところも誰かに撮られ、LINEグループのアルバムに追加されるといった具合です。アルバムに写っている自分を見て、いいアングルで撮っているなーとか、自分の顔や笑顔は周りからどう見られているのかを客観的に理解できる良い機会になりました。

ビュッフェの思い出(634)

 個人的なベストエピソードは、私が夕食バイキングのときにライチだけをたくさん取って大いにいじられた件です。そこまでいじられた理由は、昨年の合宿にまでさかのぼります。当時も同じく夕食バイキングで、フォースKくんがプチトマトだけを大量に取っていました。その光景があまりに面白かったため、彼はサークル内でプチトマトいじりをされるはめになりました。

 私はこの事件をすっかり忘れ、今年はくしくもプチトマトにフォルムが似ているライチを盛ってしまいました。ライチがおいしすぎるせいなので仕方がないと主張させてください。

ライチを盛ったお皿

 来年以降の合宿でも偏食は現れてしまうのでしょうか。みなさん、自分の好きなものを取ることができる食事ではきちんとバランスよく取りましょう。

心地よい露天風呂(熱海プリン)

 私のベストエピソードは露天風呂です。

 EちゃんとN先輩と3人で入りに行きました。露天風呂はシャワーも温泉も全て外にあったので、湯船につかるまではとても寒かったです。でも、温泉は丁度いい温度で気持ちよかったです。空気が澄んでいて空には星も少し見えました。

 またみんなで温泉に行きたいです。

最高の温泉を友人と(Pupil)

 熱海のホテルで露天風呂に入り、夜風にあたりながらゆっくりとくつろぎました。湯船から見上げると満天の星が広がっていて、まるで別世界のような気分でした。友人と会話をしながら、ゆっくりつかっていました。のぼせないために湯からあがって休憩を挟んだり、落ち着いたらまた温泉に戻ったりを繰り返しました。熱海の温泉の心地よさと楽しい雰囲気が相まって、最高の思い出になりました。

心も温まる露天風呂(咳はしない)

 私の熱海合宿でのベストエピソードは露天風呂です。お風呂は1日目の夜と2日目の早朝の2回入り、それぞれ違う露天風呂に行きました。もちろん、合宿中にみんなで過ごした時間は楽しかったのですが、ベスト一つを決めるのは難しかったので、温かかった話を書こうと思います。

熱海の綺麗な海

 夜に入ったお風呂からは月がよく見えました。私が入ってから30分ほどは誰もいなかったので、静かに月明かりを眺めては合宿のことを思い出していました。私の普段の生活からすると、騒がしい1日だったなと思うのと同時に、とても充実していたなと思いました。

 その日に至るまで、さまざまな苦労や立場上抱えていたプレッシャーがありましたが、ここまでがんばってきて良かったなと感じました。本当にまわりに恵まれたなと思います。

 そのまま静かな温泉の中で月光を浴びていると、日中との対比に寂しさを感じました。そして、尾崎放哉のある句を思い出しました。「こんなよい月を一人で見て寝る」という句です。この句は、尾崎放哉が須磨寺で人里離れた生活をしていた時に詠まれたものです。私はこの句に孤独感を重ね、対になっていた日中の出来事がなんて幸せなのかと思いました。お風呂から出たあとは編集会議を行い、会議後は雑談を楽しみました。

 翌朝、5時に目を覚ましてしまったので、せっかくならと朝風呂に入りに行きました。前夜とは違う露天風呂に行きましたが、日が昇っていない時間だったので、凍える寒さでした。空にはまだ星が輝いていましたが、お風呂から空を見上げているとだんだん青みがかってきて、水平線の方を見ると空が焼け始めていました。そのままずっと空を見続けて、日の出を待ちました。1時間以上は待ったと思います。目映い橙色の光が照らし、思えば人生で初めて日の出を見たかもしれません。普段は薄明のうちに起きても、もう一度眠りに入ってしまうので、日の出を見る機会はありませんでした。見ていたとしたら遠い昔のことで記憶にありません。日の出を見て、その日も楽しもうと気持ちを明るくしてからお風呂から出ました。そして、部屋に戻ってから朝食バイキングへ向かいました。

 お風呂に入っている間は、のんびりと考えることができました。今までの振り返りだったり、合宿中の出来事を思い出したりして、良い時間だったなと思います。自分の中ではこれが温かい話だと思ったので、ベストエピソードに選ばせてもらいました。私にとってこの合宿は、両手では受けきれないほどの幸福感にあふれたものになりました。

ジェラート屋に集まる3年生(シーチキンがなぜか食べられない)

 熱海合宿のベストエピソードは、3年生の5人で食べたジェラートです。

 熱海旅行最終日、解散前に全員でお土産を選んでいたのですが、なんだか疲れを感じてしまった私は、早々に自分の買い物を終えました。そこから店外で後輩たちが楽しそうにお土産を選ぶ姿を眺めていたのですが、私の周りにちらほらと人が集まり始めたので、「せっかくだからジェラートでも食べない?」と誘いました。

 ジェラート屋さんには静岡県産の食材を使った商品が多く、色とりどりのショーケースに心がときめきました。どれにしようかと悩んでいると、なんとダブルに変更可能とのことだったので、2種類チョイス!「静岡県産和紅茶」と「チョコとナッツのジャンドゥイヤ」をいただきました。とてもおいしかったです!風味豊かで優しい甘さを感じました。

ジェラート屋さんのショーケース
左:静岡県産和紅茶とチョコとナッツのジャンドゥイヤ 右:静岡県産抹茶

 意識していなかったのですが、ジェラート屋さんに集まった5人がみんな3年生だったため、お土産を選ぶよりも休憩をしていた姿に、なんだか「老い」を感じました。(我がサークルには3年生は5人です。)

 全員が集まる機会がこれまで少なかったため、他愛のない話をして、たくさん笑って合宿の最後を飾りました。

 駅で解散前に集合し、「楽しかった人ー!!」と聞くと、全員が手を挙げてくださって、年長組としてはとてもうれしかったです。

 決して楽ではないサークル運営でしたが、後輩たちに良い思い出を残すことができたのであればとても良かったと思います。

 残り少ない幹部人生を全力で駆け抜けていきますので、ぜひこれからもかながわ・キャンパるをよろしくお願い致します!!

 さまざまなエピソードがありましたね。この熱海合宿を通してメンバー同士の仲が以前よりも深まった気がします。今回はメンバーのベストエピソードを紹介しましたが、合宿の全体の話は別の機会に紹介します。そちらも読んでみてください。

(木下)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です